Ten desires Collaboration.

co-2i
7月 3rd, 2011
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▼Ten desires Collaboration.
またまた小説をかいていただきました!わーいわーい!

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静と動。この二つから武術は成り立っています。
攻めなくては勝てない。しかし、先に動くことは後の先を制されることにつながる。
だから、どちらかだけでは勝負に勝てません。
一般的に剣術の勝負は一瞬で決まります。しかし、その一瞬の勝負の前に数分、長い時は一時間近くの静の時間があります。
相手の呼吸、視線、気配から思考を読み取り、先を制する。それが剣術の極意です。
曲がりなりにも白玉楼のお庭番として幽々子様につかえて、幾星霜。
日々の修練を怠ったことのない私は、自分の剣の腕にある程度の自信はありました。
奢りもいけませんが、自分の実力を過小評価するのも勝利への妨げとなります。だから、自分の実力は正確に把握していた。
はずだったのに……。
紅白巫女との勝負は、まさに鎧袖一触だった。
一本も取れなかった。いくら純粋な剣術勝負でないとはいえ、刀を持ち出して一本も取れないなんて、どれほどぶりだろうか。
それもこれも私の未熟さゆえ。こんなことでは、幽々子様をお守りすることなんて、到底できない。
だから、私は刀を振り続ける。それしか、私の道はないのだから。

「妖夢~」
「ひゃわっ! 幽々子様! 稽古中に近づかれるのは危険ですと、なんど言ったら分かって下さるんですか」
危ない危ない、もう少し幽々子様を斬ってしまうところでした。
まあ、幽々子様のことですから、ひらりと避けてくださるでしょうが……。心臓に悪いことには変わりません。
「だって、妖夢ったら何度呼んでも気づいてくれないんだもの。朝ごはんはまだなの?」
「あ、もうそんな時間ですか。申し訳ありません。すぐに用意します」
ふと足元を見れば、影もずいぶんと長くなっています。
いけないいけない。剣術の稽古もやらなくてはいけませんが、幽々子様のお世話もしなくては。
「最近頑張り過ぎじゃないかしら? もうちょっと肩の力抜かないと、身が持たないわよ?」
「私はまだまだ半人前ですから、頑張りすぎるくらいでちょうど良いんです」
「あら、あなたは一生かかっても半人前よ。だって、半人半霊なんだから」
「い、いえ。そういう意味ではなくてですね……」
幽々子様はいつもこうだ。私を煙に撒くのが趣味なのかもしれない。
「もー。難しい話はあとあと。まずはご飯にしましょう」
「はい、すぐに」

家事全般をこなし、空いた時間で剣術の稽古をする。私の一日はこうして過ぎて行きます。
私はまだまだ半人前。これしきの忙しさで弱音なんて吐いていられません。
もっと努力し、もっと強くなり、幽々子様のおそばに立つ者として恥ずかしくないようにならなくては。
幽々子様の晩酌のお相手をした後、自室に戻り、寝支度を整える。
さあ、明日も早い。早く寝なくては。

ここは……どこでしょうか。
漆黒の闇に周囲は覆われて、一向に目が慣れる気配もありません。
背中には柔らかい感触。布団? いや、それにしてはずいぶんと柔らかいような。
試しに空に向けて手を伸ばしてみましょう……。何かあるといけませんから、ゆっくり、ゆっくり……。
なにも……ないみたいですね。
さて、さすがにこれが夢だということぐらいは分かりますが、どうしたものでしょうか。
なにもしなければ、そのうち夢からも覚めるでしょうけど……。

「妖夢、妖夢」
ん? この声は幽々子様? いったいどこから?
「妖夢、こっちよ」
あ。あの青白く光る蝶はもしかして……。
「幽々子様。どうかなさったのですか?」
「私は幽々子ではないわ。名もなき蝶よ」
「私の知る限り、蝶は光らないのですが……」
「それはあなたが半人前だから、蛾と見間違えていたのよ」
いや、それはさすがに……。それにしても、なぜ自分の素性を隠したいのでしょうか。バレバレなのに。
「妖夢、蝶はどうやって生まれてくるか知ってる?」
「どうって……。卵からじゃないのですか?」
「卵から生まれ、幼虫になり、さなぎになり、蝶になるのよ。もう私の言いたいことは分かったわね」
「ええっと……。すいません、なにがなんだかさっぱりです」
いや、本当に皆目見当つきません。
「察しが悪いわね。つまり、あなたはさなぎなのよ」
「はあ、頭が固いという意味でですか?」
「……………半霊は頭の回転も半分なのかしら? つまりね、さなぎの時にいくらジタバタしても無駄なの」
「無駄と言われましても……。実際私の努力不足が原因で敗北を喫してしまったわけでして」
「努力は足りてる、実力も足りてる。あなたに足りない物、それは……」
「それは?」

「それは、忍耐よ」
「忍耐……ですか」
「ええ。あなたは結果を求めすぎている。焦りは実力を半減させ、大事な物を見落させるわ。あなたはさなぎ、ジタバタしては綺麗な蝶になれないの」
「その大事な物というのは……」
「さあ、それくらいは自分で気づかなくてはね。さ、もう目覚めの時間よ」
「あ、幽々子様!」
「私は蝶よ~、名もなき蝶からの、蝶になる心得講座よ~」

パチッ
目を開くと、清々しい朝日が目に飛び込んできます。
先ほどまでのは、やはり夢でしたか。妙に現実感のあるものでしたが……。
それはそれとて、今日も良い稽古日和になりそうです。
さてと、刀を持って……。
……いえ、今日は少しお休みしましょう。私にとって一番大事なことをしなくては。

スタスタ
ガラッ
「幽々子様。おはようございます」
「おはよう、妖夢。今日も美味しいご飯をお願いね」
「はいっ。ただいま!」

剣術も、こうした家事も、ただ一つの目的の手段に過ぎない。
幽々子様の笑顔を守る。その目的のために、今日も私は幽々子さまにお仕えする

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今回は8さんにお誕生日として小説をいただきました!!!わーいわーい!!
普段あまり妖夢とゆゆさまの話は書いたりしないんですが(読むのはとっても好きです!!)
でも、こうしてお話にかいてもらうと、妖夢って幻想郷で一番人間らしい気がします。
人間でもない幽霊でもない。
妖夢は完璧さを求めてるけど、完璧じゃない。
でもそんな完璧じゃない妖夢が好きなゆゆさま。
そんな修行な関係もいいなぁと思っちゃったり。

いかんいかん。浮気はよくないですねw
小説をかいてくださった8さんのブログ:http://newtype8.blog.shinobi.jp/

 

お誕生日はメールいただいたり、イラストいただいたり、小説いただいたりして、とっても嬉しかったです。
この場をお借りしてお礼申し上げます。

 

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